遺愛女子高校(福島基輝校長)の英語科3年生は、今年度、同校敷地内に畑をつくり、野菜を育てるプロジェクト「IAI×FARMING(ファーミング)」をスタートする。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、今年度の客船クルーズの通訳ボランティアの活動の見通しが立っていないことから、野菜の収穫、調理を通じて、これまでの活動で学んできた「おもてなし」の心を地域との交流に生かしていく。
同校では2007年から函館港へのクルーズ客船入港時に乗客と日本文化体験などで交流し、もてなすボランティアを行ってきた。しかし、今年度はウイルスの感染拡大で、クルーズ客船の入港が激減。例年通りの活動ができないことから、農業体験を通じ、地域に貢献する新たなプロジェクトとして、同校ホワイトハウス(旧宣教師館)近くの敷地を使い、野菜や果物の栽培に取り組む。
同校教職員が敷地を耕し、5月中旬から英語科3年有志がジャガイモやトマト、イチゴなど約10種類の苗や種を植え、放課後の時間などを利用して水やりや草むしりに励んでいる。同科3年の高橋唯那さん(17)は「学生最後のボランティアができず残念だが、みんなで協力して良い企画にしたい」と意気込む。収穫後は生徒が調理し、地域の人々に振る舞うなどの活動を予定している。(飯尾遼太)