市立函館高校(谷川敬一校長、生徒717人)は、教育支援サービス「クラッシー」を使い、生徒の学習状況や健康面の把握に努めている。以前から導入していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校や分散登校をきっかけに活用の幅が広がり、オンライン授業も併用したことで新たな学校生活の可能性も見えてきた。同校は「通常授業が始まれば活用機会は減るが、メリットも大きかった。今後も上手く取り入れられれば」と期待する。
同校では、大学入試改革で「主体的に学習に取り組む態度」が重要視されることもあり、生徒が能動的に学習や各種活動に取り組んだ課程を記録する「ポートフォリオ」の蓄積を目的に、クラッシーを18年度に導入した。
クラッシーでは、スマートフォンなどを使い、教員と生徒が学習の指示や情報のやり取りができ、休校中は課題を提供したり、問題の解き方を指導したりした。生徒からは「苦手分野について聞きやすい」と好評だったという。
また、ウェブ会議サービス「ズーム」を使った授業や、進路面談なども実施。面談で使った塩村亮教諭は「自宅からなのでリラックスして話ができたようだ。いつも以上に本音を聞け指導にも役立った」と話す。
1年生は、実際の登校日数が少ない中での利用だった。齊藤裕子教諭は「2、3年生のように学校生活に慣れてはいないので大変だったと思う。次に休校があった場合に備え、取り組んでいきたい」としている。(小杉貴洋)