函館高専(伹野茂校長)は1日、保健科学と工学の知識を併せ持つ人材養成プログラムの実施に向けて、北大医学部と北大大学院保健科学研究院の2者と覚書を締結した。高専と医学部が連携した教育プログラムは全国初で、2021年度から函館高専専攻科生を対象に実施を目指す。
同プログラムは、函館高専の本科(5年課程)を卒業後に専攻科(2年課程)に進んだ学生が、北大医学部保健学科に3年次編入し、疾病予防やリハビリテーションなどの保健科学に関する知識を習得する。定員は年2人程度を予定しており、修了後は北大から学位が与えられる。
同日、函館高専で調印式が行われ、伹野校長と同研究院の齋藤健院長が覚書に署名した。伹野校長は「5年間の一貫した工学教育で専門的な知識を身に付けた学生を新たな領域で活躍できる人材に育てていくことが大きな使命」とし、「人生100年時代を迎える中、保健分野の技術者養成は近々の課題だと感じている。わが国の産業を支える人材を育てていきたい」と語った。
齋藤院長は「高齢化社会を迎え、本プログラムを修了した学生は社会のニーズが非常に高いと思われる。ヘルスケアエンジニアのリーダーとして世界を引っ張っていく人材になることを期待する」と述べた。(金子真人)