函館高専の学生らが開発した木製の折り畳み式仮設橋の設置実験が18日、同校グラウンドで行われた。運びやすく、短時間で組み立てが可能なことから、災害時の応急的な交通路の確保に向けて実用化が期待される。
橋は折り畳んだ状態で、縦1メートル、横2・6メートル、幅60センチ、重さ85キロ。展開すると、全長6メートル、幅60センチの橋となり、400キロ以上の荷重に耐えられる仕様。木材は柔らかくて加工がしやすい道南スギを使用している。
同校社会基盤工学科の平沢秀之教授の指導の下、同科5年の小泉楓さん(20)と同科専攻2年の佐藤史織さん(21)が中心となって研究開発を進めてきた。
屋外での設置は今回が初めてで、湯川町2の建設業「戸沼岩崎建設」の協力を得て実施。折り畳んだ状態でトラックの荷台に積載した仮設橋をクレーンでグラウンドに下ろし、平沢教授や学生ら6人の作業員が橋をボルトで固定したり、床版を取り付けたりして、約1時間半で設置を完了させた。設置後は6人が同時に橋を渡るなどして強度を確認した。
3年前から研究開発に携わっている佐藤さんは「ようやく橋が形になり、人が乗っているところを見て感動している。建設会社の方から設置する際の意見もいただいたので、実用化に向けて改良を重ねていきたい」と話していた。
平沢教授は「実際の災害現場に近い形での架設実験が成功して良かった。今後は自治体などと協議し、実用化に向けた仕組みづくりも進めていきたい」としている。(金子真人)