函館高専(伹野茂校長)と千葉県柏市のIT企業「フラー」は19日、先進的IT教育やアントレプレナーシップ(起業家精神)教育、学術研究の相互協力に向けた包括連携協定を締結した。同高専が民間企業と協定を結ぶのは初めて。
フラー社は2011年に高専卒の技術者が中心となって創業。スマートフォンアプリの利用者分析などの事業を展開している。同校では、専攻科の課題解決型学習(PBL)のメンター企業として参加しているほか、学生のインターンシップを受け入れている。
協定の内容は、地域社会の発展に貢献することを目的に、学生のIT教育や起業支援教育、学術研究、地域創生などに関して連携協力するとしている。
同日、同校で調印式が行われ、伹野校長とフラー社の櫻井裕基代表取締役CCOが協定書に署名した。伹野校長は「非常に高度な情報化社会を迎える中、函館高専としてもロボットやIoT(モノのインターネット)などの技術の流れができている。次世代の人材育成に向け、(今回の連携を)非常に期待している」と述べた。
櫻井CCOは「当社のITの技術を函館高専にインストールすることで強い人材が生まれることを期待している。また、地元のいろいろな企業と交流し、ITの力で地域を元気にしていきたい」と意気込みを語った。(金子真人)