JR北海道函館支社(宮越宏幸支社長)は17日、市立函館高校吹奏楽局(対馬楓菜局長、局員93人)へ鉄道レール5本を譲渡した。同社では初の試みで、譲渡されたレールは来月1日に函館市芸術ホールで開かれる、同局の定期演奏会で打楽器として使用される。
提供されたレールは2年前まで七飯―森間で実際に使用していたもので、保守による交換で外され保管していた1本を、10センチごと10~50センチの長さに切断した。演奏ではアンビル(金床)と呼ばれる金属製の打楽器に代わって登場する。
同社で開かれた譲渡式では、宮越支社長と同校の佐竹卓校長が覚書を交わし、局員らが実際にレールをハンマーで叩いて音を確かめるなどした。演奏会でレールを担当する3年の富樫玲菜さん(17)は「実際に叩いてみると鋭くきれいな音だった。本番に向け練習し仕上げたい」と話していた。
対馬局長(同)も「日ごろ利用している列車の一部であるレールがどのような音を奏でるのか、私たちも楽しみ」といい、「来場した皆さんへいい音色を届けたい」と意気込んでいる。(野口賢清)