函館大学の「アジアマーケティング研修会」は、函館スイーツの海外展開の可能性を探る調査研究を進めている。函館スイーツの率直な印象や反応を調査しようと、3月上旬に香港を訪問。香港大学の学生への試食アンケートや地元企業の取材を行い、商機はあると受け止めた。今後、調査結果をまとめ5月にも発表する予定だ。
同研修会はゼミやクラブ活動とは異なる、大学肝いりのプロジェクトとして昨年12月発足。角田美知江専任講師を顧問に選抜された3、4年生6人で活動する。香港を訪問する前には、海外に事業を展開している札幌や帯広の菓子メーカー3社を訪ね、それぞれ経営者に成功の秘訣(ひけつ)を取材。函館に来た外国人観光客にも函館スイーツの印象などをアンケートした。
香港へは3月1~4日の日程で訪問。香港大学では、学生9人に函館、近隣の菓子メーカーなどが製造したチーズケーキやようかん、チョコレートなど9品を食べ比べてもらった。どの商品もおおむね「おいしい」との好評価で、当初の予想に反して和菓子類が意外と受けが良かったという。
さらに道産商品を扱う卸会社と小売店の2社を訪問。道産商品に対する評価や魅力、海外で販路を広げるための課題などを経営者に聞き、言葉の違いや信用度の差が海外進出のハンデにならないと学んだ。
調査を通じて、九州の業者との比較で物流の費用や時間がかかる点を課題として捉えた。香港では北海道ブランドは認知されているものの函館の知名度が低かったことも分かった。
角田講師は「経営者の考えや現地の生の声を聞けたことは大きい」と成果を口にし、宮永優太郎さん(4年)は「これまでの調査を基に、どうすれば海外展開のチャンスが広がるのか考えていきたい」と話した。(鈴木 潤)