「はこだて国際科学祭」(サイエンス・サポート函館主催、函館新聞社など後援)が18日、五稜郭タワーをメイン会場に開幕した。10回目の節目となる今回は「『環境』から函館のしあわせを考える。」がテーマ。初日は防災講演会や子ども向けイベントなどに多くの人たちが参加し、科学の不思議に触れた。
ケーキ作りで酸性とアルカリ性学ぶ
〇…函館市青年センターでは、「キッチンサイエンス」を実施。酸性やアルカリ性の性質を学習。くらしとバイオプラザ21(東京都)の佐々義子さんが講師を務め、アントシアニンが含まれたブルーベリージャムやレモン汁を生地に入れて色違いのケーキを仕上げた。
ムラサキイモの色素が入った液体に重曹やレモン汁などを加え、身の回りの液体の性質も調査。佐々さんは「この実験が薬や洗剤の効果に大きくかかわる」と説明した。港小4年の藤木怜美さん、鍛神小5年の山木理莉さんは「予想と違う色が出てきたので驚いた。料理も楽しかった」と笑顔だった。
森林の役割学び防災意識高める
〇…五稜郭タワーアトリウムでは、「サイエンスダイアログ 野外に出よう!命を守る森の研究」を開催。道立総合研究機構林業試験場道南支場の鳥田宏行支場長らをゲストに迎え、サイエンス・サポートの美馬のゆり代表(公立はこだて未来大学教授)を〝司会役〟に、防災知識を深めた。
防雪林や防風林、津波被害から家屋などを守る可能性を高いと注目されている海岸林について説明した鳥田さんは、「森林を整備することで、災害から人間の生活を守ることにもつながる。時間はかかるが、とても有意義なこと」と来場者に重要性を伝えた。
19日も五稜郭タワーで「科学屋台」、千代台公園陸上競技場では「青少年のための科学の祭典」「函館高専メカニズムフェスティバル」などが開かれる。(小杉貴洋)