市立函館高校美術部(長内絵美部長、部員26人)が19日に発表された、学校行事を題材にしたポスターコンテスト「第13回全日本学校ポスター甲子園」でグランプリを獲得した。同部は2年ぶり2度目の受賞で、制作に携わった長内部長ら2年生部員4人は「限られた時間だったが満足の作品ができた。評価してもらってうれしい」と笑顔が弾けた。
ポスター甲子園は、高校生以上の学生が制作に関わった作品を対象にしたコンテストで、旭川市の印刷会社総北海が主催する。同部は5年連続のエントリーで、これまでにグランプリのほか、準グランプリを3度受賞するなど入賞常連校として知られている。今回は全国から74作品が出展された。
制作には、長内部長のほか、鶴巻千秋さん、佐藤宙(ひろ)さん、岩瀨小夜さん、佐々木龍顧問の5人が当たった。昨夏にあった学校祭用のポスターとして6月上旬から準備した。提出までに3週間ほどと時間がない中でも「妥協せず、ものづくりを進めたい」という思いを共有して、各々のイメージを出し合って試作を何度も重ねていった。
完成した作品は、校舎内の同じ場所で撮影した人物や風景の写真を何枚も重ね、光の強弱をつけることで輝く高校生活を表現した。ただ、文化祭のみならずどんな年齢の人たちが見ても何かを感じてもらえる作品に仕上げようと工夫を凝らした。
制作過程で特に意見がぶつかり合ったのがキャッチコピーだったといい、提出するぎりぎりまで悩んだという。最終的には「おかえり。ぼくらの夏。」に決まった。4人は「提出日ぎりぎりまで悩んだ甲斐があって自慢の作品に仕上がった。達成感に満ちている」とほほ笑む。
佐々木顧問は「数人で一つの作品を仕上げることの難しさはあったと思う。その中で真剣に意見をすり合わせて良いものを作ろうとする姿に成長を感じた」と目を細める。今後はそれぞれの制作活動に重点を置くといい、「来年は後輩たちが連覇してくれれば」と期待を込めた。(小杉貴洋)