函館万年橋小学校を1952年に卒業した三浦一志さん(77)の自叙伝「三浦一志 半生の記」が15日、同校の6年生28人に贈られた。上海国際空港建設の道筋を開き、日中のパイプ役として重要な役割を果たした〝大先輩〟の偉業を、書籍を通して伝えた。
三浦さんは亜細亜大で中国語を会得し、外資系企業でセールスマンとして活躍。上海を訪れた際「上海を一大金融基地にしたい」という現地の声に対し、大きな国際空港が不可欠だと提言した上で、来日した上海の調査団を率いて日本の空港を案内。1999年の開港に導いた。
自叙伝は2014年に出版され、営業マンや経営者としての視点、海外とのつながりなどを著している。同校の同窓会が15年に発足し、昨年秋の懇親会に、東京都に住む三浦さんが初めて出席。参加者に著書を配ったという。その中で「卒業生にもプレゼントしては」という声が上がり、寄贈に至った。
前田知彦校長は児童を前に「皆さんの中に、将来海外で活躍する人がいるかもしれない。その時に参考にして」とあいさつ。橋本さんは「万年橋小の卒業生にすごい人がいると知ってほしい」と語りかけ、子どもたちに本を手渡した。(稲船優香)