函館大谷短大コミュニティ総合学科の2年生グループが、ロープウエーや売店など函館山にある施設の利用実態を調査し、20日、函館山ロープウェイに調査内容を報告した。利用客のアンケート結果を分析し、混雑時や夜景が見られなかった際の対応策などを提起した。
昨年7月、同短大と同社が締結した連携協定に基づいて、マーケティングを指導する鄭蕣玉(チョンスンオク)講師のゼミ受講生5人が調査。7月24日から同30日まで、ロープウエー利用者1358人にアンケートを行った。このうち、592人が台湾や中国などの外国人観光客だった。
結果は全体の74%が「満足」「非常に満足」とした一方、26%が「どちらでもない」「不満」などと回答。満足できなかった理由(複数回答)として「(夜景を見る際)搭乗までの待ち時間が長すぎる」「(天気の影響で)景色が見られなかった」「いすが足りない」が上位を占めた。売店やレストランの利用者は33%、10%にとどまり、3割が「満足していない」との回答があった。
報告会では学生が同社の役員や幹部の前で内容を発表。夜景が見られない時の対応策に代用イベントの企画や、混雑解消策として時間帯で料金設定を変えること、また、防寒対策でコートをレンタルするなど、対応策を提起した。
同社の桜井健治専務は「貴重な資料として参考にしたい」と述べた。同学科の塩谷未来さんは「1年間取り組んできた成果を出せて良かった」と話し、鄭講師は「なぜ満足しなかったのかを着目して分析した。今後も継続的に調査していきたい」とした。(鈴木 潤)