函館大妻高校(斉藤賢一校長)は2025年度から家政科のファッション造形コースに「美容」の授業を導入する。同校は昨年9月、函館理容美容専門学校(大西忠彦校長)と教育連携協定を結んでおり、同専門学校の教員の協力を得て、大妻高校の教員と授業を受け持つ計画。少子化の進展で生徒の確保が難しく中、時代のニーズに応じた授業を実施することで定員確保を図る狙いだ。(加納洋人)
大妻高校は家政科、福祉科、食物健康科、普通科の4学科構成。今春の入学生から、福祉科と普通科の定員を減らし、家政科の一般入学の定員を45人から60人に、推薦入学の定員を22人から30人に増やした。
家政科はファッション造形コースの人気が高まり、昨年の家政科の入学志願者は一般、推薦合わせて45人だったが、今年の志願者は71人に増加した。
「確かな手ごたえを感じている。ファッションと美容は切っても切れない。昨年10月の中学生の体験入学でヘアメイクの実演を行ったが、生徒たちが大変興味を示していた」と同校の池田延己理事長(79)。 「美容」の授業は「家庭科」の「学校設定科目」として2年生から始まり、専門学校の教員の協力を得て、化粧やヘアメイク、ネイルアートなどを学ぶ。
同校では4月からの授業のスタートに向け、大きな鏡やヘアドライヤーなどの機材をそろえ、夏ごろから設備の整備も行う計画だ。
池田理事長は「大妻はもともと実業の学校としてスタートした。家政科の定員増と時代に即応した教育で、少子化の時代を乗り越えるとともに、地域の人材育成に貢献していきたい」と話している。