ピロシキの魅力に触れるイベント「ピロシキ博2021」が27日、函館蔦屋書店で開かれ、トークセッションや販売を通じ、来店客がピロシキからロシアとのつながりを体感した。
函館市内・近郊7店舗でつくり、はこだて焼きピロシキの普及を進める「ソユーズはこだて焼きピロシキ」の主催で今回が2回目。
同店2階ステージで「函館とロシアのつながりから未来の可能性を探る」と題して行われたトークセッションでは、ソユーズ代表でまるたま小屋店主の北見伸子さん、函館の老舗レストラン、五島軒専務取締役の若山豪さんが登壇し、同社社外取締役の國分晋吾さんがファシリテーターを務めた。
若山さんは五島軒初代料理長の五島英吉に関し、「戊辰戦争を機に函館にやってきた旧幕府軍側の五島が、当時ロシア領事館も兼ねていたハリストス正教会にかくまわれ、ロシア料理を学んだ」と紹介。その後、創業者の若山惣太郎と出会い、1879(明治12)年にロシア料理とパンの店として開店した経緯を語った。
北見さんはロシアとの食文化のつながりに言及。「ロシア料理はキャベツ、ジャガイモ、タマネギ、牛肉など道内でも作っている食材が使われ、親和性がある」とし、「過去の歴史も取り出し、魅力的なものとして現代と融合させて未来に伝えていくことが大事」とした。
このほか、会場ではソユーズ加盟店が米を具材に使ったライスピロシキ32種類を販売、五島軒やモンパルナス(兵庫県)のピロシキとともに740個が完売する盛況ぶりだった。(飯尾遼太)