戊辰戦争終結150周年・第50回記念箱館五稜郭祭が18日、開幕した。五稜郭タワーアトリウムでは、初日のメインイベント「第32回土方歳三コンテスト全国大会」が開かれ、ゲスト審査員として俳優の山本耕史さんが15組の演技を見守った。審査の結果、迫真の殺陣を展開した東京都目黒区から初出場の三木崇史さん(33)が優勝を飾った。
参加者は20~50代の男性9人、女性6人で、市内をはじめ、青森や京都など全国からエントリー。基本のシナリオは、一本木関門で行く手を阻む新政府軍の歩哨(ほしょう)を退けた後、銃撃によって落命するまで。
優勝した三木さんは歩哨を退けた後、殺陣の後輩でもある橋本良太さん(28)が放つ短銃の弾を刀で弾く演技で間合いを詰め、2人で迫力の殺陣を繰り広げた。「誠」の文字が入ったぼろぼろの旗を取り返した直後に撃たれ、仰向けに倒れた。
都内の専門学校で講師として殺陣や所作などを指導しているといい、自ら考えたシナリオで練習を重ね、小道具なども用意した。優勝が発表されると会場から「やっぱり」の声が漏れるなど、納得の結果となった。三木さんは出場を応援してくれた仲間への感謝を口にし、土方の魅力を「男らしさや武士道を貫いたからこそ、150年の時を超えて伝わっている」と話した。優勝を支えた橋本さんは「(三木さんは)気迫が違うと感じていた」と喜んだ。
このほかの出演者もそれぞれ、近藤勇や沖田総司ら新選組の仲間への思いをセリフにしたり、雄叫びを上げたりと演技に工夫を凝らした。新選組の羽織姿の出演者を集めて会場とともに勝ちどきをあげたり、スマートフォンで仲間の無事を確認する土方など笑いで盛り上げる出演者もいて、それぞれの好演に拍手が送られた。
準優勝は昨年に続いて佐々木育恵さん(28)=東京=で「3度目の正直で来年こそ頑張ります」と意気込み、3位の五稜郭祭賞は福来せんりさん(52)=同=が輝いた。三木さんと佐々木さんは19日午後1時に中島廉売通りを出発する維新行列・音楽パレードにも参加する。(今井正一)