「オーバー・フェンス」の完成披露上映会に合わせて、山下敦弘監督と出演した俳優のオダギリジョーさん、満島真之介さんらが12日、函館市役所を訪問し、工藤寿樹市長と懇談した。
作品は昨年6~7月に市内のホテルに滞在しながら撮影。オダギリさんは「1カ月間もどこかで撮影するという機会がなかったのでいい経験でした」と話した。工藤市長がNHK大河ドラマ「八重の桜」でオダギリさんが演じた新島襄と函館のかかわりを紹介すると「函館に縁があるのかもしれませんね」と笑顔を見せた。
佐藤泰志作品の映画化は今作で一区切りで、シネマアイリスの菅原和博代表は今後の映画制作について「市民が企画から携わる珍しい取り組みなので、機運が盛り上がれば今後もかかわってみたい」と話した。(今井正一)
●舞台あいさつ 市民700人歓声
12日午後6時半から、市芸術ホールで開かれた完成披露試写会には、関係者や市民約700人が訪れた。上映前の舞台あいさつには山下監督やオダギリさん、満島さんと蒼井優さんが登壇した。
山下監督は「函館の方々に助けてもらってできた映画。テーマは考えず思うままに見て」と呼び掛けた。蒼井さんは演技指導の中で学んだ函館なまりを「かわいい」と表現、会場から歓声と拍手が起こった。(半澤孝平)