函館出身の作家、佐藤泰志(1949-90年)の同名小説を原作とする映画「草の響き」(斎藤久志監督)の完成に向けて、函館市民映画館シネマアイリス(菅原和博代表)は市民に寄付の協力を呼び掛けている。函館市民発信映画として今秋の公開に合わせた宣伝活動経費などとして活用する。(今井正一)
同作は佐藤の没後30年に合わせて、昨年11月に市内で撮影が行われ、同館の開館25周年記念作品として4月の完成、秋の公開を予定する。2010年の「海炭市叙景」以降の各作品でも同様の手法で多くの寄付金が集まり、映画製作が支えられた。
「映画『草の響き』函館制作応援団」の事務局を同館に置いた。函館だけではなく、全国各地の映画館にもちらしを置いてもらい、寄付を幅広く呼び掛ける。菅原代表は「映画は仕上げに向けた作業が進んでいる。寄付金は今後の宣伝経費などに使わせてもらいたい」と話す。
製作協力金は個人は1口1万円、法人は1口5万円。映画のクレジットタイトルに氏名や法人名が記載されるほか、入場券や大口の募金には撮影台本などの特典も用意した。また、個人対象のサポーター募金は1口5000円で、入場券とオリジナルポストカードが贈られる。クレジットタイトルへの氏名記載は2月末分まで。3~4月分は公開時に販売するパンフレットに掲載する。
募金は同館か、喫茶店「水花月茶寮」(富岡町3)で直接受け付けるほか、ゆうちょ銀行の指定口座でも受け付ける。問い合わせは同館(0138・31・6761)