函館市文化団体協議会(文団協、鈴木大有会長)は24日、今年度の白鳳章について函館邦楽舞踊協会の小泉浩子さん(57)=芸名・若柳吉和浩(きちかずひろ)=と、赤光社美術協会の安井孝さん(83)の2個人、青麒(せいき)章は函館音楽協会の山本和生(かずい)さん(47)の1個人が受賞したと発表した。表彰式は22日、函館市内のホテルで行われる。
小泉さんは故若柳吉和寿さんに師事し4歳で初舞台に立ち、12歳で名取、22歳で師範免許を取得。多くの弟子に和の心を表現する日本舞踊の真髄を伝えながら函館邦楽舞踊協会副理事長などを歴任し、ワークショップ開催など事業の推進に尽力。高齢者への健康づくりにも寄与していることや舞踊の創作など、活動の幅を一層広げている。
安井さんは約60年にわたり人物画を中心としたテーマを追求する制作活動を続け、赤光社で他の会員の制作意欲をも高めてきた。函館市に美術館建設の声が高まった時には先頭に立って署名活動を行い、デッサン画を販売し建築資金集めに奔走。今年100周年を迎えた赤光社の礎を築き、全道展においても全体の底上げに寄与した。
山本さんは函館市生まれ、東京芸術大音楽学部作曲科卒業後はハンガリーリスト音楽院で研さんを積み、精力的に作曲活動に取り組む。この1年はコンサートの企画運営や演奏で活躍。これまでに合唱団やオーケストラへ委嘱作を提供。函館青柳中学校など新設校で校歌の作曲を手掛けるほか、後進の育成も努める。
両章は1982年に創設。白鳳章は市の文化・芸術の振興に長年にわたり貢献した個人・団体に贈る。青麒章は1年間(2023年9月~24年8月)の文化、芸術活動で特に優れた実績を上げた個人や団体が選ばれる。白鳳章は今年で計133団体・個人、青麒章は計83団体・個人となった。(山崎純一)