国連が定めた世界自閉症啓発デーの2日に合わせて、函館、北斗の両市内では音楽祭や作品展示などさまざまな啓発イベントが行われた。
当事者支援団体などでつくる実行委員会(大場公孝委員長)が2013年から開催していて、今回は3月下旬から4月8日まで11会場で関連イベントを計画した。
五稜郭タワーでは「Blue(ブルー)の音楽祭」が開かれ、函館在住のミュージシャン、Keller(ケラー)さんや、障害者施設の利用者でつくる「音舞」「ゴスペルクワイアMSC」「ひのき屋」の4組が出演。一昨年帰郷し、約40年ぶりに函館のステージに出演したケラーさんは道南地区啓発デーイベントの公式テーマソング「Blue Rainbow(ブルー・レインボー)」を当事者や支援者とともに歌った。
夜は同タワーをシンボルカラーの青色に約3時間、ライトアップ。午後6時の点灯式では約100人が集まり、北海道自閉症協会道南分会の道下康子会長が自閉症の長女玲奈さん(19)とともに「自閉症の子どもたちが生き生きと暮らせる地域になってほしい。子育てを頑張っている家族を温かく見守って」と呼び掛けた。
市芸術ホールでは自閉症啓発デー・アート展が4日まで開催。当事者や家族、支援者らが制作した絵画や立体作品、写真など約110点を展示した。たくさんのエコキャップを貼り付け一つの絵として完成させた「キャップアート」や、裁断した布をつなぎあわせた立体作品、北海道新幹線車両を描いた張り絵などが並んでいる。入場無料。(鈴木 潤)