【七飯】道南で初めて「農福連携」のコンセプトを取り入れた地域密着型デイサービス「いちご農園」(上藤城3)が4日から運営を開始した。2日には関係者を対象とした内覧会が行われ、利用者がイチゴ栽培などに携わるハウスなどを見学した。地域との共生を目指す同施設の新たな取り組みに大きな注目が集まった。
同施設は同町内に通所介護施設やグループホームなどを展開するケアサービスドウナン(中村久子社長)が運営。中村社長は「七飯町は日本の近代農業発祥の地であり現在も農業が基幹産業。地域共生を目指すには農業と連携するしかない」と思い立った。
中村社長は作業対象として、ハウスによるイチゴ栽培を選択。町内の農家と話し合いを重ね、作業がしやすく収量も多い高段栽培による農園を整備した。
デイサービスの基本的な流れは、午前11時から一般も利用可能な併設レストランで利用者がスタッフとして接客。午後からはハウスでの農作業や、収穫した野菜や果物のパッケージ作業などに取り組む。レストランは一般の利用も可能。中村社長は「利用者が農業経験者の場合は、これまで培ったノウハウを提供してもらえるとありがたい」と期待する。
将来的にはハウス栽培のイチゴを七飯の特産品にする夢もある。中村社長は「デイサービス施設の枠を超え、地域活性化の拠点を目指したい。地元の農家が野菜を持ち寄りマルシェを開いたり、さまざまなイベントの舞台として親しまれる存在になれれば」と意欲を見せている。
デイサービスについての問い合わせは0138・64・1515(同施設)へ。(小川俊之)