高齢者の外出機会を創出し、買い物やレクリエーションなどを通して健康増進に役立ててもらう取り組み「おでかけリハビリ」が函館朝市に加え、イオン湯川店でも試験的に実施される。事業を4月に始めた函館朝市協同組合連合会(井上敏廣理事長)は、賛同する関係者らと10月1日にも協議会を発足させて会場の拡大を目指す計画で、身近な場所でお年寄りらがリハビリを体験できるようにする。
おでかけリハビリはこれまで朝市で月1、2回実施され、介護施設の利用者ら延べ約150人が体験。地域貢献の一環として取り組みを幅広く推進しようと、同連合会が商業施設などを対象に開いた説明会では、イオン北海道やマックスバリュ北海道などが関心を示していた。
9月下旬をめどに同店で行うリハビリは、高齢者5人程度の少人数を予定。フードコートで作業療法士による健康体操を体験した後、買い物を楽しんでもらう。イオン北海道は、苫小牧市にある商業施設でウォーキングイベントを開くなど積極的に健康事業を推進しており、同社営業本部は「今回はお試し版だが、今後も前向きに検討したい」とする。
同連合会は今後、函館、近郊の約300の介護施設におでかけリハビリのリーフレットを設置するほか、企業や市内の作業療法士、言語聴覚士らでつくる協議会を立ち上げ、普及を目指す考え。飲料、化粧品メーカーと連携し、お茶の入れ方や美容などを学ぶレクリエーションや文化講座も充実させ、気軽にお年寄りらが体験できるようにする。
同連合会の松田悌一事務局長は「これまで来ていなかった客層が来るという点で商業地にとって利点が大きいが、まずは地域貢献が目的。高齢者が外に出かける環境を整備し、介護予防に役立ててもらいたい」と話している。(山田大輔)