視覚障害者のために録音図書の作製などの朗読活動を行う、函館のボランティア団体「青い鳥朗読奉仕団」(黒丸義子代表)が、今年で創立50周年の節目の年を迎えた。黒丸代表(62)は「決して楽な作業ではないが、情報を必要としている人たちのために続けて行かなければならない大切な仕事。半世紀にわたって先輩たちが積み上げてきたノウハウを、次の世代にもしっかり伝えていかなければ」と力を込める。
同団は1966年に開かれた朗読奉仕者養成講座をきっかけに設立。「市政はこだて」などの広報誌から、小説や週刊・月刊誌まで幅広いリクエストに応え、テープやCDなどに朗読を吹き込んで貸し出している。
録音は担当者がそれぞれ自宅で取り組んでいる。黒丸代表は「毎日約2時間程度は吹き込み作業に費やす。特に市政はこだての場合は、発行日の10日ほど前に原稿をもらい、期間内に作業を終えなければならない。毎月忙しいがやりがいがある」と話す。また「広報誌の場合は、情報やデータを正確に伝えることが大切。余分な感情を入れないで朗読することを心掛けている」と語る。
現在の悩みは会員数の減少と高齢化。黒丸代表は「朗読奉仕という仕事自体が一般に知られていないのと、特別な技術を必要すると思われ敬遠されているのが原因。定期的に体験会を実施しており、基本からしっかり丁寧に指導するので、興味のある人はぜひ参加してほしい」と呼び掛ける。
10月22日に函館国際ホテルで行われた50周年記念祝賀会では、半世紀の歴史をまとめた「50周年記念誌」が配布された。編集の中心となった片岡邦夫副代表(76)は「あらためて朗読奉仕団の歴史の重みを実感した。機会があれば一般の方にもぜひ読んでもらいたい」と話してる。
同奉仕団や50周年記念誌に関する問い合わせは0138・23・2580(事務局)まで。(小川俊之)