精神疾患を持つ人らがフットサルなどに取り組み、社会参加につなげる「ソーシャルフットボール」が、道南でも本格始動する。精神医療従事者らでつくる実行委が9月8日に函館フットボールパークでキックオフイベントを開き、毎月1回程度の開催を予定している。
ソーシャルフットボールは、2011年に石金病院(札幌市北区)の井上誠士郎医師(現北海道精神障害者スポーツサポーターズクラブ会長)らにより北海道に紹介された。翌12年には同クラブ主催のフットサルリーグを立ち上げ、全国大会にも参加するなど、道央圏を中心に徐々に広がりを見せている。
実行委は、石金病院での研修経験もある精神保健福祉士、佐久間裕さん(32)が、函館渡辺病院(函館市湯川町)の同僚の精神保健福祉士、恩道翔晟さん(23)と作業療法士の内藤弘貴さん(34)に声をかけて立ち上げた。
精神疾患当事者は、もともとサッカーなどに親しんでいても一般のスポーツクラブなどは「ついていけない」と遠ざかってしまう人も多いが「当事者もスポーツに親しめる場を作りたい」と佐久間さん。「スポーツを通じて、成長、仲間との関係を築いてみませんか」と、参加を呼び掛けている。
当日は、井上会長ら北海道精神障害者スポーツサポーターズクラブのスタッフ、同病院の看護師なども来場し、医療従事者のサポートを受けながら、それぞれのペースでフットサルを楽しむ。
午前10時からフットサルコートEで2時間程度を予定し、当日参加も可能。参加費は300~500円(保険あり、人数で変更)、経験の有無は問わず、靴やウエアは各人で用意する。用具を持っていない場合は相談に乗る。事前申し込みは不要だが、問い合わせは実行委メール(donan.socialfootball@gmail.com)へ。(神部 造)