函館市は29日、65歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチン集団接種を開始した。初日は市総合保健センター(五稜郭町23)1会場のみで、事前予約した200人に実施。午後2時半から約4時間ほどで終了し、会場で体調不良を訴えた人はいなかった。30日には五稜郭ワクチンセンター(同町39)を稼働。6月には新たに函館ワクチンセンター(港町1、市立函館病院隣)を設置し、早期完了を目指して接種規模拡大に努める。
会場では、対象者を時間差で集めて密集を回避するよう工夫した。函館市医師会病院の医療従事者15人が接種に直接かかわり、市の運営スタッフ約30人がサポートした。
対象者は予診票の内容確認を受けた後、医師が問診で接種可否を判断。3カ所のブースでワクチンを受けた。その後、アナフィラキシーショックなど直後に出やすい重いアレルギー症状に備えて待機室で15分間の経過観察を済ませ、それぞれ会場を後にした。市立函館保健所地域保健課によると、スムーズに終了したという。
インターネットで予約をした時任町の無職、木村冨久子さん(85)は「注射の痛みや違和感もなかった」と安どの表情。同じくネット予約をした東川町の目黒英毅さん(77)は「家族と同居しているので、自分が感染させるわけにいかないと思っていた。打つことができて安心している」と話していた。
同課は6月2日に次回集団接種の各会場ごとのスケジュールを公表、同7日午前9時から新規受け付けを開始する。予約専用ダイヤルは(0138・83・6001)=平日午前9時~午後5時。問い合わせや相談はコールセンター(0120・556・202、平日午前9時~午後7時、土曜日午前9時~午後5時)へ。(海老田暁)