新型コロナウイルス対策の切り札とされるワクチンの先行接種が19日、道内7施設のうち4病院で始まった。道南では国立病院機構函館病院(加藤元嗣院長)にワクチンが搬入され、職員250人を対象に先行接種がスタートした。
米製薬大手ファイザー製のワクチンは午後0時25分ごろ、同院の救急搬送出入口に195瓶を積んだトラックが到着。1170回分で585人分にあたる。同院では全職員480人のうち、妊婦や授乳中などの職員を除く430人が22日までに接種を終える予定。2回目の接種は3週間後の3月12日ごろから開始する。
接種会場の新病棟では、接種後のアレルギー反応や体調不良に備え、接種後15分間はいすに座って待機し、体調を観察した。
最初に接種を受けた加藤院長は「ワクチンを受けて安心している。先行接種を行い、できるだけ早くワクチンの安全性を確認し、安心して接種できるようになることを希望している。ワクチンを打ったことで感染発症予防、重症化予防に期待したい」と話した。
道内では対象となっている7つの医療機関で約3000人の医療従事者が先行接種を受ける。4月以降、65歳以上の高齢者を対象に接種を開始し、基礎疾患のある人などの順に接種が進む見通し。16歳以上が対象で、接種にかかる費用は全て国が負担する。
加藤院長は「感染症は予防が一番大事。自分の感染リスクを下げるだけでなく、周りの人に感染させないというメリットがある。ぜひ多くの人に受けてほしい」と話している。(木村京子)