緑の光に託す早期発見の思い――。日本緑内障学会は「世界緑内障週間」(11~17日)に合わせ、緑内障の認知と啓発に向け、各地のランドマークをグリーンにライトアップする「ライトアップinグリーン運動」を開催する。函館眼科医会(江口秀一郎会長=江口眼科病院院長)も同運の動に今回初参加し、12、13の両日に五稜郭タワーをライトアップする。江口会長は「緑内障は早期発見によって進行を防ぐことができる病気。正しい知識を知るきっかけになってくれれば」と期待する。
世界緑内障週間は2008年から実施されている国際的イベントで、国内でも講演会や無料検診などが行われてきた。その活動をより幅広く周知しようと、15年から全国各地でライトアップがスタート。1年目は5カ所だったが、16年は20カ所、17年は44カ所に拡大。今年は72カ所で予定され、函館でも初めて加わることになった。
江口会長は「緑内障は日本人の中途失明原因疾患の第1位だが、早期に発見し適切な治療を継続すれば失明に至る可能性は大幅に減らすことができる」としながら、「自覚症状が少ないため気づいた時は手遅れになっていることもある」と強調。定期的な検診の大切さを訴える。
今回のイベント参加については「さまざまな関係機関の協力によって実現することができた。函館観光の象徴である五稜郭タワーを緑内障のシンボルカラーであるグリーンでライトアップすることにより、この病気についての関心が高まればうれしい」と話している。
ライトアップの時間は両日とも午後6時から同10時までを予定している。(小川俊之)