粘りとコシを引き出す職人技が光る
一世紀を超える〝餅屋〟の大福
1916年、函館市宝来町で〝かき餅屋〟として創業した「東京堂」。店名は初代が東京でかき餅店を営んでいたことに由来し、2代目から赤飯や和菓子を手掛ける〝餅屋〟として歩んできた。五稜郭駅前通りに店を移して62年。毎朝蒸かすもち米を粘りとコシのある餅に仕上げるには、代々受け継ぐ手動式の杵で石臼の底までしっかりとつき切る職人技が欠かせない。もっちりとした歯応えが特に際立つのが「大福」。餅に負けない甘めのこしあんや和風の隠し味がクセになる濃厚なごまあんなど、値段は1つ100円(税別)と長く変えていないという。4代目として先代に技を学んだ鈴木茂喜さんは「コシが大事な餅を〝腰抜けにするな〟と教わり、昨日よりもおいしいものをという思いで作ってきた。季節や湿度の変化によって一日として同じ日は無いので、見て、実際に作って感覚で覚えるしかない」と5代目の長男・雅人さんと共に腕を振るい、一世紀を超えて続く味を伝えている。
(ハコラク 2020年7月号掲載)
東京堂
函館市亀田本町52‐9
☎0138‐41‐6723
8:00~19:00
(土曜は18:00まで)
日曜定休 P有り