夫婦や家族の絆も深まる歴史ある湯どころ
自然と触れ合いなめらかな湯を満喫する
1925年の大正天皇銀婚式の日に、温泉の大量湧出に成功したことにちなみ名付けられた「温泉旅館 銀婚湯」。この辺り一帯の上の湯温泉郷の歴史は古く、アイヌの人々が常浴し、戊辰戦争時には幕府軍の負傷者が湯治するなど、数百年前から広く活用されてきた落部川の中流中州から湧出する名泉を開掘したのが始まり。1927年に温泉旅館を開業してからは、その名の通り夫婦円満の湯として知られ、新婚をはじめ長年連れ添う夫婦、家族連れなどが多く訪れている。
より多くの湯を求めて40年ほど前に再掘削、現在では湯量豊富な源泉を5本持つ。湯温は60~90℃と高温なため、一部の浴槽では地下水を加水して適温化。水道水を使わない、自然のままの優しい湯を提供している。浴槽ごとに泉質が異なり、日帰り入浴で利用できるのは源泉2本を混合したかけ流しの露天風呂、源泉4本を混合した内風呂の2つ。それぞれ神経痛や肩こり、火傷の痕、皮膚疾患に効能があるという。また、9万坪もの広大な敷地内に、宿泊者専用の「隠し湯」が5つ点在。遊歩道の途中に設えた貸し切り風呂まで、冬は枝に雪の花を咲かせた樹木を見ながら、湯に辿り着く道のりを楽しむのも乙だろう。
(ハコラク 2023年2月号掲載)
温泉旅館 銀婚湯
八雲町上の湯199
☎0137‐67‐3111
無休 P有り
日帰り入浴/12:00~16:00
月曜定休(ほか不定休あり)
大人800円
子供(小学生まで)400円
3歳未満無料