町が誇る史跡の発掘成果と
交流拠点に集った人々との歩み
今年7月に世界遺産へ登録される見通しの「北海道・北東北の縄文遺跡群」の関連資産「鷲ノ木遺跡」をはじめ、縄文時代のものだけで44カ所の遺跡が発見されている森町。「森町遺跡発掘調査事務所展示室」は、縄文早期から晩期までの土器や石器など、1万点を超える発掘成果の一部を2008年から一般公開。中でも「鷲ノ木遺跡」のコーナーは、〝イカ飯〟の形をした鐸形土製品などの貴重な出土品に加え、道内最大規模を誇るストーンサークルを50分の1スケールで再現したジオラマや鷲ノ木4遺跡から出土した埋葬跡の実物大の復元展示も用意。現在整備中のため非公開となっている遺跡の様子を詳細に解説してくれる。
発掘事務所から車で約5分、1971年に公民館内の一室に開設した「森町公民館郷土資料室」は、箱館戦争に関連するものから町民のリアルな昭和の暮らしまで、多様な資料が所狭しと並ぶ。1868年、当時箱館への交通が開けていた「鷲ノ木村」を、蝦夷上陸の地に選んだ榎本武揚率いる旧幕府軍の歩みや、森と室蘭を結ぶ航路発着口として建造された「森桟橋」に残る逸話、明治時代に落部地区のアイヌの首長・弁開凧次郎と親交を深めた村岡格医師が残したアイヌの品々などから、ほかの地域との交流拠点として人々を繋いできた町の歴史に注目したい。
(ハコラク 2021年7月号掲載)
森町遺跡発掘調査事務所展示室
森町森川町292‐24
問い合わせ :01374‐2‐2186
(森町教育委員会社会教育課)
9:00~16:00
休館日/土・日曜、祝日、年末年始
(そのほか臨時休館の場合有り)
入館料/無料 P有り
森町公民館郷土資料室
森町御幸町132 公民館2F
問い合わせ :01374‐2‐2186
(森町教育委員会社会教育課)
9:00~17:00
休館日/月曜、年末年始
入館料/無料 P有り