オーダーメイドの案内と本物に触れる感動で
リピーターに愛される施設に
2015年に開館した「木古内町郷土資料館いかりん館」は、江戸幕府の軍艦・咸臨丸のものと推測されている巨大ないかりがシンボル。2011年に閉校した「鶴岡小学校」の校舎を活用した館内では、漁業中心だった地域産業に、農業・林業の礎が築かれた道程を学べる「木古内の産業」や、鶴岡地区を開拓した士族らの出身地・山形県鶴岡市との絆を伝える「鶴岡小学校資料室」など、教室ごとに異なる切り口で町の特色を紹介。北海道新幹線が開通した2016年には、廃線となったJR江差線の資料をはじめとした「鉄道資料室」もオープンした。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録が期待され、注目されるのが「大むかしの木古内」のコーナー。近年、新幹線や高規格道路の開発で発掘調査が一気に進み、木古内町には62カ所もの遺跡が発見されており、充実した縄文時代の資料に熱烈なファンも訪れている。スタッフの立ち合いがあれば縄文土器やショーケース内の貴重な資料に直接触れることも出来、リピーターにはバックヤードも積極的に開放する。学芸員の木元豊さんは「一人ひとりに合わせたオーダーメイドの案内が同館の持ち味」と語り、来館者の興味を引き出すもてなしで、何度も来たくなるような資料館を築いている。
(ハコラク 2021年4月号掲載)
木古内町郷土資料館 いかりん館
木古内町鶴岡74‐1
☎01392‐2‐4366
9:00~16:00
休館日/月曜 (祝日の場合は開館し、翌火曜休み)
年末年始
入館料/無料
P有り