和洋折衷建築の古民家を修繕
防火壁や外壁に当時の面影が残る
開港通りから路地に入った場所にある「和雑貨いろは」は、外壁は1階が和風の簓子下見板張り、2階は洋風の南京下見板張りという和洋折衷建築。1908年に海産問屋として建てられた後、建設会社の事務所などとして活用され、10年ほど前に函館市内の不動産会社・日昇商事代表取締役の陳有崎さん個人が取得した。往時の姿を取り戻したのは、日昇商事が建物を借りて管理を始めた30年ほど前のこと。建設会社社屋と建物とを接続していた一面を覆う壁を撤去し、屋内の天井の梁などはそのままに、外壁含め1階の格子窓や2階の縦長窓の枠、木張りの床と建物のほぼ全てを修繕した。歩道から見て左側にある朱色の壁は、建築当時、多発していた大火に備え延焼を防ぐための防火壁だという。1階を店舗として「和雑貨いろは」が営業しており、店内には和風の生活用品や季節の縁起物などのアイテムがずらりと並ぶ。風情ある建物と一緒にじっくりと見て回りたい。
(ハコラク 2020年6月号掲載)
和雑貨 いろは
函館市末広町14‐2
☎0138‐27‐7600
10:00~18:30
無休(冬期は月曜定休)
P有り
キャッシュレス決済利用可