港町“箱館”を感じさせる西部地区の洋風建築巡り
日本初の開港地らしい異国情緒が漂う西部地区。幸坂沿いの「旧ロシア領事館」は、国内に唯一残る帝政ロシア時代の領事館の建物。正面入口上の唐破風やビザンチン様式風の柱頭など、和洋折衷の独特な意匠が見られる。現在の建物は1908年に再建されたもので、函館市の景観形成指定建築物等として街並みを彩っている。
開港記念館として港町の歴史を伝える「旧イギリス領事館」は、1934年まで実際に領事館として使用。当時を再現した領事執務室では一部の調度品に触れられるなど、体験型の展示でタイムスリップしたような気分になれる。館内にあるティールームと英国雑貨店は入館料不要で利用できる。
港を見下ろす元町公園内にある「旧北海道庁函館支庁庁舎」は、北海道の有形文化財に指定される正面の柱廊玄関のエンタシス風の柱が特徴的な木造建築。明治期には函館の中心地だったこの場所は、今年、元町観光案内所としての役割を終え、4月から1階ホールを「元町公園パンフレットブース」として開放している。すぐ隣には築140年の歴史を持つ「旧開拓使函館支庁書籍庫」があり、外壁の赤レンガには「函館製造」の文字が刻まれている。
(ハコラク 2020年5月号掲載)
【旧ロシア領事館】
函館市船見町17‐3
※外観のみ見学可
問い合わせ/函館市企画部国際・地域交流課
☎0138‐21‐3619
【旧イギリス領事館】
函館市元町33‐14
☎0138‐27‐8159
4~10月9:00~19:00
(11~3月は17:00まで)
無休
入館料/大 人 300円
学生・生徒・児童150円
【旧北海道庁函館支庁庁舎】
函館市元町12‐18
4~9月10:00~16:00
(10~3月は15:00まで)
12月29日~1月3日休み
問い合わせ/函館市観光案内所
☎0138‐23‐5440
【旧開拓使函館支庁書籍庫】
函館市元町12‐18
※外観のみ見学可
問い合わせ/函館市観光案内所
☎0138‐23‐5440