町の歴史に触れる
「江差町郷土資料館」は、歴史的建造物「旧檜山爾志郡役所」庁舎を活用した博物館。建物は1887年に北海道庁の出先機関・郡役所と警察署の業務を執行する官庁として、ロシア人の設計で建てられたモダンな洋式建築で、時代が進むごとに檜山支庁と江差警察署の合同庁舎、江差警察署の単独庁舎、江差町役場の分庁舎として、その都度、手を加えて利用されてきた。
1992年に道内に唯一現存する郡役所として北海道指定有形文化財の指定を受け、町が保存修理を行い、創建時の姿を再現。2007年に郷土資料館として活用がスタートした。施設自体が貴重な資料で、洋式建築に慣れない当時の大工の創意工夫が見てとれる螺旋階段、創建時のままの2階の板張り床、各部屋の壁や天井に貼られた異なる数種類の美しい布クロスが、明治期の華やかさを思い起こさせる。常設展では、2017年に町が策定した「江差町歴史文化基本構想」に挙げられた歴史文化の特徴の考え方に基づき、物語性を持たせて資料を紹介。時事に合わせたスポット展示や企画展も展開している。
(ハコラク 2024年9月号掲載)
江差町郷土資料館
江差町中歌町112
☎0139‐54‐2188
9:00~17:00 無休
(11~3月は月曜・祝日の翌日休館)
入館料/大人300円
小・中・高校生100円
P有り