噴火湾の景勝を眺めつつ町内に残された
開拓の歩みをたどる
■梅村庭園 梅雲亭
八雲市街地の中心部にある「梅村庭園」は、明治時代に愛知県から移住した梅村多十郎氏が屋敷の庭として造園したもので、池の周りを一周できる、池泉回遊式という本格和式庭園が見られる。庭園見学の休憩施設として開放される「梅雲亭」は、1912年に建てられた旧梅村家住宅の離れや蔵が活用され、座敷飾りや欄間がそのままに残された趣きある建物から、築山や枯山水が配された庭園の四季折々の景観をのんびりと眺めることができ、紅葉の名所としても知られる。
八雲町末広町151‐1
☎0137‐63‐3131
5~10月9:00~17:00
月曜休館(祝日の場合は営業し、翌日休み)
11~4月10:00~16:30
月曜・祝日休館 (12月29日~3月31日休館)
公民館の駐車場利用可
■八雲神社
鳥居から社殿まで約200mの参道が続く「八雲神社」は、住宅街にあるのを忘れるほど厳かな雰囲気が漂う。八雲開拓に従事した旧尾張藩士族らが故郷の熱田神宮神符と尾張徳川家歴代の神霊を板倉に祭ったことを起源に、1884年、入植者たちの精神的拠り所として社殿を建立。87年に、熱田皇大神の御分霊を正式に許された全国でも唯一の神社で、この裁可は、明治新政府の創成にあたり大きな功績を残した幕末の尾張藩主・徳川慶勝公への明治天皇からの特別な計らいによるものと伝えられている。
八雲町宮園町56
☎0137‐62‐2523
P有り
(ハコラク 2023年10月号掲載)