素材の面影を生かした品々が
人と物との縁を結んでいく
財布や小物用トレイなど本革を使ったオーダーメイドを手掛けながら、レザークラフト教室や体験コーナーの講師も務める千葉さん。4年ほど前「お客様から古い革のバッグを何かに再利用できないか」と相談を受けたのをきっかけに、革製品のリメイクとリペアに取り組むようになった。 バッグやジャケット、小学生が使用するランドセルなどの本革、合皮に関わらず革製品は頑丈で長持ちするのが魅力だが、長く愛用しているうちに、流行おくれのデザインになり、また目的に合わず使わなくなってしまうこともある。高価なだけでなく、進学祝いにプレゼントされたり、人生の節目に自分で購入したりと、それぞれ手にした時の思い入れも大きい。手放して新たに買い替えるのも良いが、リメイクすることで「気持ちや歴史が加わる分、世界に一つだけのものがよりプライスレスなものになる」と千葉さん。リメイクもリペアも品物を実際に見て持ち主と相談してから、持ち込まれた品物の思い出話に耳を傾け、話し合いを重ねていくうちに、アイデアがひらめくこともあるという。「物を大切にするのはもちろん、この先も歴史をつなぐお手伝いが出来れば」。さまざまな思いを込めてリニューアルされた製品は、ずっと愛され続けるに違いない。
(ハコラク 2021年5月号掲載)
Leather&Bar Ken
函館市中道1-11‐20
☎0138‐87‐0531
10:00~19:00
水曜定休
P有り