一つひとつに愛情を込めて モノづくりの魅力を伝える
全国各地からSNSなどを通じて注文を受け付け、専用のミシンでシャツや赤ちゃんのスタイに名前やオリジナルキャラクターの刺しゅうを施し、世界に一つだけの作品を作り上げる。太田さんは2年前、自宅に刺しゅう工房を立ち上げ、同時に「培ってきた技術を伝えたい」と、ソーイングとハーバリウム教室を開講した。
母が手作りする服など幼い頃からハンドメイド作品に触れ、自然と裁縫に興味を持った太田さん。出産とミシン刺しゅうとの出合いを機に25年程前から、子供のグッズを中心に裁縫を始めた。夫の転勤で道内を転々としながら、ハンドクラフトの展示即売会を主としたイベントを主催。13年前に七飯町に移住、ワークショップや一般向けの文化講座の講師なども務めている。オリジナル作品や既製品へ刺しゅうを入れるほか、オリジナルデザインの刺しゅう用データ作成も請け負う。データ作成は専用ソフトを使用するとはいえ一針一針分の細かいデータが必要で、完成まで5~6時間掛かりの作業になるというが、「モノづくりは過程が一番楽しい」と時間を忘れて熱心に取り組む。
工房名の「ボナーフィル」はフランス語で「幸せの糸」。「手に取るたびにときめきを感じてほしい」と語る太田さんの手から生み出され、“幸せの糸”で施された刺しゅう作品は、どれも愛情に満ちている。
(ハコラク 2019年7月号掲載)
ボナーフィル
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E-mail heart_craft917@yahoo.co.jp