「一緒にクイーン・エリザベスをお迎えしたい」函館の若者たちに届ける海からのバトン
世界の海を渡る英国の豪華客船「クイーン・エリザベス」が今年4月、初の日本一周クルーズで函館港へとやってくる。米国で学んだ知識と航空業界での経験を生かし、国内外に函館港の魅力を伝えている前野さんは「一生に1度見る事ができるかどうかという絶対に寄港を実現したかった一隻」と語る。華やかに見えるクルーズ船での仕事は、数千人単位の生活を支える究極のサービス業でもあり、時には救急搬送されたゲストが安心して帰国できるよう一晩中付き添うなど、船とゲストとクルーとの間の業務は多岐に渡る。“女王”の寄港実現には、港湾管理者である函館市長に加え、ポートエージェントなどのいつもと変わらない細やかな配慮や歓迎ムードを盛り上げる市民の協力が欠かせず、ひとつひとつの積み重ねが結実したものだという。これら長年の活動が評価され、函館港は米国の船社から平成30年における最も貢献度の高い港として表彰された。クルーズ船の持つ教育、文化交流など目に見えない効果を見据え、若い世代が船に携われる機会づくりにも奔走する前野さん。「出会い、笑い、助け合い…全てがあるのがクルーズ船。世界的な船が集まる港が自分たちの住む街にあることを知って欲しい」。函館港を舞台に多くの人が羽ばたき、再び“女王”に「おかえりなさい」と言える港へと成長できるよう挑戦は続く。
(ハコラク 2019年4月号掲載)
問い合わせ/函館市港湾空港部港湾空港振興課
☎0138‐21‐3493