函館市本通3の「ホテル緑園通」(増田修一支配人)は13日、電源コンセント付きの車中泊用駐車場をオープンする。車中泊施設を推進する日本RV協会(横浜市)の認定施設としては道内初の都市型。道の駅での車中泊が急増し、トラブルが出ている中、市電電停が近い立地の良さや宿泊費の安さを生かし、キャンピングカーを拠点とした市内観光の需要創出を図る考えだ。
名称は「RVパークはこだて緑園通」。ホテルの南に隣接した土地に5台分の駐車スペースを設け、1台当たり2口のコンセントを付けた。ホテルの水道やトイレが使用でき、ゴミも1袋100円で引き取る。1泊2000円、電源使用の場合は500円追加となる。
同ホテルは下宿施設を改装し、昨年9月に開業した。増田支配人はキャンピングカーを使った旅行者がいると知り、「コンビニや温泉のほか、競馬場、市電の電停も近く、車中泊の場所として魅力があるのでは」と専用駐車場の開設を決めた。
日本RV協会が認定する「RVパーク」は全国で約130カ所。道内では2014年の滝川市を皮切りに緑園通で7カ所目。今年に入って4カ所がオープンするなど急増した。道南は七飯町と森町に2カ所ある。
全国のキャンピングカーの台数は10年間で約2倍に伸びた一方、「車中泊用の駐車場はまだまだ少ない」(同協会)。本来は車中泊が認められていない道の駅などで、連泊やごみの放置などマナーの悪さが目立ち、松前町では今年春の10連休中に警察が注意喚起に回った。
同協会事務局の白井達也さんは都市部での車中泊の可能性について、「車中泊を楽しむ人の中には、都市部を観光したいが、車を置く場所に困っている人も多い。RVパークが都市にも受け入れられるきっかけになれば」と話している。
問い合わせは同ホテル(0138・35・7000)へ。(深津慶太)