全国の優れた鉄道旅行商品を表彰する2016年度の「鉄旅オブザイヤー」のグランプリに日本旅行(東京)が企画した道南いさりび鉄道(函館、小上一郎社長)の観光列車「ながまれ号」を利用した商品が選ばれた。
日本旅行業協会、鉄道旅客協会が委員を務める実行委が主催し、今回で6回目。16年10月までの1年間に実施した旅行企画を募集し、企画性やオリジナリティーを評価。旅行会社部門は106件の応募があった。
日本旅行の企画は「観光列車『ながまれ海峡号』に乗ろう」とした商品で、函館-木古内間を走る同列車内で、スイーツを海鮮に見立てた「海鮮スイーツ丼」や旬の地元食材を使った創作料理、バーベキューなど沿線市町の味覚を提供。毎回盛況で、熱意ある企画力や地域と一丸となった取り組みが高く評価された。
同社の企画担当者は「スマートさより親近感を重視した接客体制が、多くのお客さまに好感を持って受け入れられたと感じている」とコメント。審査員で、鉄道ライター杉山淳一さんは「新幹線開業で不安に思われがちな並行在来線について、明るい話題を全国に振りまいた功績も大きい」と講評した。(今井正一)