函館産ブリを使った新グルメ「函館ブリたれカツバーガー」は、専用の移動販売車での販売(BTKBキャラバン)が終了した。函館を含む道南7市町で、5月1日~9月19日に計2500個を販売し、目標の2000個を大幅に上回った。おいしくてボリュームがあり、和風バーガーとして成り立っていることが評価された。函館産ブリの認知度を高め、消費拡大に一役買った。
はこだて海の教室実行委(菅原雅仁会長)が、日本財団(東京)の「海と日本プロジェクト」の一環で開発。昨年度開発した「函館ブリたれカツ」を応用したもので、若者が手軽に食べられる和風フィッシュバーガーを通じ、函館でブリの漁獲が増え、消費拡大が課題になっていることを知ってもらうのが狙いだ。
「炭火割烹菊川」(函館市五稜郭町)と「和×燻製輝なり」(同市本町)、「コッペん道土」(木古内町)が協力し、レギュラー(450円)、鬼おろし(500円)、タルタル(同)の3種が登場。共通の決まりとして①函館産ブリを使い、下処理に函館産マコンブエキスでうま味を出す②コッペん道土の特注バンズを使う③函館産赤カブの千枚漬け、函館産マコンブのペースト、ブリのだしを使ったゴボウのきんぴらを使用④ブリによく合うからしみそマヨネーズを使う―ことを定めた。
函館は、JR五稜郭駅前のキッチンカー出店エリア「ハコニワ」(亀田本町)を中心にシエスタハコダテ前、函館空港、テーオーデパートなどで売り、江差町、八雲町、木古内町、松前町、七飯町、鹿部町にも〝出張〟。ほぼ毎回完売し、行列ができ2時間以内に売り切れてしまうケースも。SNSで函館ブリたれかつバーガーの存在を知った札幌市民から「移動販売車に来てほしい」との要望もあったほどだ。
実行委事務局の國分晋吾さん(39)は「和食の料理人、菊池隆大さんと白戸光さんが、ブリたれカツバーガーに合うたれや具材を考えてくれたおかげ。バーガーを食べ、函館でブリの漁獲が増えていると認識した人も多い」と手ごたえを話す。
実行委によると、移動販売車内が手狭なため、1日あたりバーガーを120個しか作れず「キッチンカーが大きければ、もっと売ることができた」(國分さん)という。「短期の企画ではなく、常設販売できる環境整備も今後の課題」(同)とも。
10月10日に函館蔦屋書店で開かれる体験イベント「はこだて地ブリパーク」では、函館ブリたれカツバーガーの今年度ラスト販売(100個程度)を予定している。
國分さんは「函館ブリたれカツバーガーを出してみたいと興味を示す飲食店も複数ある。函館でのグルメイベントでも販売できるようにしたい」と構想を温めている。(山崎大和)