函館市はこのほど、海外バイヤーなどを対象に、農水産物や加工食品を通じて函館の食の魅力を伝えるPR冊子「ハコペディア」(A4判、表紙を含め全12ページ)を発行した。編集を担当した市の地域おこし協力隊員でマレーシア出身の潘朝陽(プーン・チャウ・イエング)さん(28)は「函館を代表する新鮮な食材や加工品の情報を豊富に盛り込みながら、分かりやすく紹介するように心がけて作成した。輸出ビジネス支援に役立ててもらいたい」と期待する。
冊子は日本語版と英語版の2タイプあり、スルメイカやゴッコ、根ボッケ、ガゴメコンブ、戸井マグロ、マコンブなど函館を代表する水産物や、知内ニラ、ふっくりんこ、雪の下ダイコンなど道南各地の農産物を、写真と簡潔な説明文で紹介。このほか、イカを使った塩辛や珍味、バターあめやリンゴゼリーなどの菓子類などの加工食品も幅広く取り上げている。また、函館市が国内外で取り組んでいる輸出ビジネス支援事業の実績や、食産業に関連する施設や各種機関も紹介している、
市は商談会などを通じて同冊子を積極的に配布し、海外のバイヤーをはじめとする関係者に広く函館の食の魅力を理解してもらうための資料として活用していくとしている。
昨年9月に地域おこし協力隊に赴任し、同冊子の編集に取り組んできたプーンさんは、2016年に酪農学園大大学院(江別市)へ留学したのをきっかけに北海道に興味を持ち、本州での就職を経て協力隊に応募。現在は、市から輸出ビジネス支援業務を受託している北海道国際交流センター(HIF)に在籍する。
5カ国語(日本語、英語、中国語、広東語、マレーシア語)が堪能で英語版への翻訳も担当。HIFに開設するサポートデスクで海外と市内の企業をつなぐワンストップ窓口のスタッフも務めている。
プーンさんは「冊子作りを通じて、函館の食の魅力をあらためて認識した。地元業者と海外バイヤーの橋渡し役として頑張りたい」と意欲を見せている。
同冊子は函館市ホームページの経済部食産業振興課のページからダウンロードできる。(小川俊之)