【北斗】渡島総合振興局は7日、道南でワイン事業を志す人材を育てるため、今年度の「道南ワインアカデミー」を北斗市内で開講した。昨年度より4人多い29人が受講。初回は座学や現地研修を通じ、ブドウ作りに欠かせない土壌の特性について学んだ。(山崎大和)
昨年度に続き2年目で、醸造用ブドウ栽培の新規参入者やワイナリー設立希望者を支援するのが狙い。今年度は一歩踏み込んで、具体的なイメージを持ち、本格的な事業化に向けた材料を学んでもらう。
市農業振興センターで座学があり、北大大学院農学研究院講師の柏木淳一さん(土壌保全学)が、ブドウが正常に生育できる土壌環境をテーマに講義。「土壌条件がワインの風味を決定するのではない。ブドウ栽培の制限因子とならないような土づくりが必要」と強調。土壌断面を設け調査すると土色、土性、土壌構造、根の特徴が分かると解説した。函館市のワイナリー「農楽蔵」で栽培を担当する佐々木賢さんが、積算温度に基づいたブドウ品種を紹介した。
その後、市内にある佐々木さんの農場に移動し、柏木さんが実際に畑を1メートルほど掘った穴に入り、断面を調査。柏木さんは「ブドウ作りには排水性が重要。排水改良を考えると、ブドウ園として好適な状態に持っていくことができる」とアドバイスした。
大野農業高校は、20アールで「ナイヤガラ」「キャンベル」「バッファロー」を栽培。園芸課の中島綾子教諭(41)は「土壌断面を見て、一帯の土壌を勉強できて良かった。土づくりは基本なので、学校に戻って生徒たちに還元したい」と話した。
次回は23日に函館で現地研修し、最終回の3回目は来年1~2月にテイスティングとマーケーティングの講義を受ける予定。