函館市の旧市街地(西部地区)で飲み食べ歩きを楽しむイベント「函館西部地区バル街」(実行委員会主催)が、本年度のグッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会主催)を受賞した。同時に受賞作品中、高い評価を得た100件に与えられる「ベスト100」も受賞。実行委代表の深谷宏治さんは「関係者はもちろん、毎回足を運んでくれた市民のみなさんのおかげ。これを機に、全国各地にさらにバル街の輪を広げたい」と喜んでいる。
「グッドデザイン賞」は、1957年に旧通商産業省によって設立された「グッドデザイン商品選定制度」(通称Gマーク制度)を継承する、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動。今年は4495件の応募があり、受賞数は1403件。ベスト100に選出された「函館西部地区バル街」は、さらに金賞とグッドデザイン特別賞の受賞の可能性がある(11月1日に発表)。
実行委ではこれまで同賞に応募はしていなかったが、はこだて未来大教授で同賞審査員の岡本誠氏から審査委員推薦(第1次審査免除)を受けたことから、今回初めて応募した。
函館西部地区バル街は、スペインで料理を学んだ深谷さんが、料理を通じて地域を盛り上げようと、スペインの立ち飲み文化「バル」をモデルに2004年から年に2回開催。今年の9月で通算28回を迎える。
また、全国各地から問い合わせや視察も相次ぎ、同様のイベントは400~5000件ほど行われているとみられる。
今回の受賞に実行委の田村昌弘さんは「自由な運営を継続したい観点から、行政の補助金や企業の助成金などに頼らない運営を続けてきたことが評価の対象になった。今後も地域に根ざし、市民が楽しめるイベントを継続していきたい」と話している。(小川俊之)