小型風力発電事業のトラストグリーンパワー(東京、牧田興司社長)は16日、函館市恵山町で小型風車の搬入、組み立て作業を行った。先行設置する発電施設3基(出力各19・8キロワット)の1号機で、2号機も18日に搬入予定。試運転を経て、2機とも24日ごろ運転を開始する見通し。
恵山地区で発電設備24基分の申請が済んでおり、うち12基で認定を受けた。3機目は6月中に設置するという。
現地は恵山山麓の南側に位置し、海岸線より高台にあるため、西風が安定して吹く。小型風車は高さ28・5メートルで、4000万円。昨年12月に、3基分の建設工事の地鎮祭を行っていた。発電した電気は電力会社に売電する。工事は永昇建設(函館市鍛治2、岩島一男社長)が請け負う。
1号機は上海から船便で苫小牧港へ運ばれ、陸路で函館入り。この日は大型クレーンを使い、2つに分かれたタワー部分の接合や基礎への固定など慎重に作業を進めた。1、2機とも既に買い手がついている。
市は、故障のため稼働を停止していた風車2基(高岱町)の修繕費がかさむため、同地区での風力発電事業を2015年度末をもって廃止。今回の3基が稼働すれば、市内では唯一の風力発電事業となる。
親会社のトラストコーポレーション(千葉県船橋市)の堀部敬二プロジェクトマネジャーは「今後1年以内に24基全てを建設したい」と話している。(山崎大和)