函館開発建設部は12日、建設中の函館新外環状道路(空港道路)の函館空港、日吉、赤川の各インターチェンジ(IC)周辺を報道関係者に公開した。赤川-函館空港IC間(7・6キロ)では舗装工事が行われるなど、今年度中の供用開始に向けて順調に工事が進んでいる。
地域高規格道路の空港道路は函館ICから函館空港ICまで全10キロで、赤川ICまでの2・4キロが2015年に開通済み。函館空港までは4車線幅で整備しているが、開通時は暫定2車線となる。既存道を通行する場合と比べて大幅な時間短縮や渋滞緩和が期待される。
整備区間の構造物は全長800メートルの見晴トンネル、東山大橋(190メートル)をはじめとする10カ所の橋梁など。各地で舗装などの路盤工事や標識用の基礎工事などが進む。
函館空港IC付近では、道が道道函館空港線と結ぶ函館空港インター線1・3キロを整備中で、空港道路との同時供用開始を予定。日吉IC付近では、周辺道路の交差点改良なども進む。道道函館臨空工業団地線の上に架かる跨道橋付近は見晴らしが良く、函館山と市街地、下北、津軽両半島も望むことができる。赤川IC付近は開通時の走行路面となる表層部分の舗装などを残すのみとなっている。
一方、各現場ではICT(情報通信技術)を活用。このうち、のり面の造成では、図面の3次元データとGPS(全地球測位システム)情報を基に、重機で設計通りの深さ、角度での整備することが可能となり、作業時間の短縮や人員の抑制につながったという。
空港道路完成後、2021年度内には函館江差自動車道の木古内ICまでの開通を予定。函館道路事務所の河崎拓実所長は「道南各地とのアクセス向上や周遊効果が期待できる」と話していた。(今井正一)