全国でホテル、不動産事業を手掛けるユニゾホールディングス(東京)は、2019年夏をめどに、函館市大門地区でビジネスホテル「ユニゾインエクスプレス函館(仮称)」を開業する。客室は277室を計画し、低価格を売りに国内外の宿泊需要を取り込む考え。JR函館駅周辺では来年以降、大型宿泊施設が次々と開業する予定で、ホテル競争は必至の様相を呈している。
建設場所は、現在空き地となっている函館市若松町18の高砂通り沿いで、敷地面積は約1700平方メートル。建物の規模などは明らかにしていない。
同社は、全国14カ所でホテルを展開。道内では札幌に次ぐ開業で、同社広報部は、函館進出について「観光、ビジネスで需要が見込まれる都市で、魅力的な土地があった」と説明する。
ユニゾインエクスプレスは、同社が18年から岩手県盛岡市を皮切りに展開する新業態のホテル。既存の「ユニゾイン」は、札幌で1泊素泊まり6000円程度が最安値だが、エクスプレスは「宿泊施設に求められる機能を厳選し、コストパフォーマンスにこだわったホテル」(同社)で、さらに低価格で宿泊を提供する見込み。料金は季節によって変動するという。
事業戦略に「訪日外国人の取り込みルートの拡大」を掲げる同社は、21年までに全国約30カ所でホテルを稼働させ、総客室は現在の倍となる7000室を目指す方針だ。
同駅近くの新規ホテルを巡っては、札幌国際観光(札幌)が18年秋に大手町で290室、大和ハウス工業東京本店が19年夏に駅前市有地で300室程度の宿泊施設を開業する。市内のホテル関係者は「オープンする頃には新幹線ブームが落ち着き、供給過多にならないか心配だ」と懸念する。
函館ホテル旅館協同組合の遠藤浩司理事長は「中心市街地の空き地に新しい施設ができるのは喜ばしい」とにぎわい創出を歓迎する一方、「オフシーズンは価格競争が激しくなることが予想される。今後はおもてなしを含め、もう一度足を運んでもらえるような工夫が各施設に一層求められる」と話している。(山田大輔)