【北斗】澤田建設(北斗市追分3、澤田龍社長)は、市市渡1の北海道新幹線新函館北斗駅前商業地(第7街区)にカフェとショールームが一体となった店舗を建設する。企業誘致の苦戦が続く中、開業後、駅前進出を表明したのは同社が初めて。駅前のメイン通りに面しており、カフェの客席数はあえて少なくし、ゆったりとした店内とする。11月に工事着工、来年3月上旬のオープンを目指す。
同社によると、7月に2004平方メートルの土地を取得。建物は鉄骨2階建て延べ426平方メートルで、1階にカフェ、2階にショールームを整備する。投資額は約1億円。
カフェ「ギャブカフェ」(仮称)は、25~30席のゆったりとしたスペースでドリンクやデザートメニューが楽しめる。店内は内装を変えることで「和モダン」「アンティーク」など、テイスト(趣)の異なる3、4つのスペースを設ける。「店内で営業は行わず、ショールームの見学に訪れたお客さまが立ち寄れる場所としたい」と同社。
ショールームは床材や壁、ドア、タイルなど輸入建材を展示。キッチンなど設備を置くことも考えている。ショールーム内のスペースを使い、パン教室を開くなど地域貢献も視野に入れる。
同社は6月、新規事業として戸建て住宅の建設・販売を行う「住宅事業部」を立ち上げた。しかし、住宅分野のノウハウがないため、道内2社目となる「ジャパン・コンストラクション・システム」(福岡県直方市)とフランチャイズ契約を結び「ギャブハウス」ブランドを展開。住宅事業部の目玉として新駅前の活性化に貢献したいと、今回の事業を計画した。同社は新函館北斗駅前ホテル(仮称)の建設も手掛けており、山科憲之統括ディレクターは「ホテルと同時期にオープンさせ、周辺の人の流れを増やしたい」と話している。
市によると、駅前商業地5・3ヘクタールのうち、レンタカー事業を中心に既に営業開始、施設整備中、協議中のものも含め2・8ヘクタール(同社分を含む)の土地利用が見込まれる。47%に当たる2・5ヘクタールが残っており、今回の進出が企業誘致の呼び水となるか注目される。市経済部は「新幹線の利用が好調で駅周辺は混雑しており、飲食や休憩できる場所が増えるのは喜ばしい」と歓迎している。(山崎大和)