静岡県にある日本競輪学校の第114回(女子7期)の合格発表が12日に行われ、ガールズケイリン選手の育成を目的に函館市などが本年度から開始した「ホワイトガールズプロジェクト」の第1期訓練生だった函館市出身の三尾那央子さん(29)と、紋別市出身の寺井えりかさん(24)が合格した。競輪選手への狭き門をこじ開けた2人は喜びとともに意気込みを語り、関係者からは祝福の声が寄せられた。
同プロジェクトは道内登録がいない女子選手の発掘や自転車競技の普及などを目指して、昨年4月に函館市や市営函館競輪の包括委託事業者・日本トーター、日本競輪選手会北海道支部(明田春喜支部長)が中心となって立ち上げた。
記念すべき1期生は三尾さん、寺井さんを含む3人が参加。スポーツ経験や職種も異なる中、藪下昌也さんらOB選手のサポートを受けながら半年間にわたり競輪学校入学を目標にトレーニングに取り組んだ。技能や適性を図る第1次試験を突破し、学科の第2次試験を昨年11月末に終え、合格発表を待つばかりとなっていた。
三尾さんは初、寺井さんは2度目の挑戦で競輪選手への第一歩を踏み出した。三尾さんは「合格発表の直後はすぐには信じられなかった。人生の中でこれほど頑張ったことはないと思っているが、油断せず、どんな展開でも安定した成績を残せる選手を目指して練習に励んでいきたい」と気を引き締める。寺井さんは「2度目の挑戦で本当に合格できるか不安だったが、やっとスタート地点に立つことができてほっとしている。自分の走りを見て競輪に興味を持ってもらえるよう、全力で走れる選手を目指したい」と飛躍を誓った。
市競輪事業部の三上武一部長は合格の一報を聞き、「本当に良く頑張った」とねぎらった。苦しい練習に身を置く姿を見ていたといい、「努力が結実し感動した。さまざまな人たちの協力なくしては成し得なかったこと。皆さんに感謝したい」と喜んだ。
2人は5月に入校し、1年間の養成期間を経て競輪選手資格の取得を目指す。(小杉貴洋、蝦名達也)