パラリンピックに3度出場し、パリ大会(9月)では、400メートルメートルユニバーサルリレー日本代表の4位入賞に貢献した辻沙絵さん(29)の報告会(後援会主催)が21日、函館市内のホテルで開かれた。辻選手はパラ大会での出来事や、今後の競技人生について話した。
日体大の水野洋子監督も同席し、約40人が参加。始めに後援会の松喜美夫顧問が「パリではメダルを取れなくても、リレーで日本記録(予選、47秒09)をマークし、感動した」とあいさつ。函館市の大泉潤市長が祝辞で「世界の舞台で素晴らしい成果を残し私たちに希望と憧れを与えてくれたことに敬意を表します」と述べた。大泉市長と、辻選手が生まれた七飯町の杉原太町長から花束を受けた辻選手は「東京パラ大会後ではコロナの影響で報告ができず、今日は皆さんに会えてうれしい。これまでの支援に感謝します」と礼を述べた。
近況報告や参加者との質疑応答で、辻選手は出場したパラ3大会について、リオデジャネイロ大会(2016年)は「パラ大会の大きさを理解しないまま、若い勢いで出場した」とし、東京大会は「(無観客で)寂しい大会で、水野監督も帯同が難しく精神的に不安な大会だった」と話した。パリ大会は「準備を丁寧に取り組み、試合当日の気持ちは穏やかに迎え、やるべきことに集中できた」と振り返った。また水野監督は辻選手の良さについて「どんなことでも前を向いて挑戦する。練習の提案にノーと言ったことはない」と称賛した。
辻選手は「パリ大会で400メートルで終わりと決めていた。今後は100メートルを中心にするが、世界選手権やパラ大会のどこを目指すかは決めかねている。ひとまずは100メートルの記録更新を目標にする」と話した。9月で日体大職員を退職、現在は義肢装具パーツメーカー社オズールジャパンに所属し「引き続き水野監督から指導を受け陸上を続ける予定だが、ライフワークとして、同じ障害のある小さな子どもをサポートし、必要な人に必要な情報を届けたい」と話した。(山崎純一)