73年の時を超えて再戦へ―。函館中部高校野球部が6日、オーシャンスタジアムで、1946年の夏の全国大会で対戦した山形東高校と対戦する。弦木裕監督は「歴史、伝統の重みを感じている。選手たちは良い経験にしてほしい」と話している。
戦後間もない1946年。夏の高校野球の前身となる第28回全国中学校優勝大会は甲子園球場が米軍に接収され、西宮球場で開幕を迎えた。函館中学校(現函館中部高)は初戦で山形中学校(現山形東高)と対戦。13―5で函館中が勝利した。試合後に山形中が余った米を贈り、函館中もお返しに持参していた芋を渡したというエピソードが語り継がれている。
深い縁がある両校の再戦構想は2年前からあった。山形大監督で山形東高のトレーナーを務める函館中部高OBの沼田尚さんを通じ、函中部高の弦木監督、山形東高の佐藤陽一監督が日程を詰めて実現した。弦木監督は「こんなにも人と地域をつなぐのかと、スポーツのすごさを実感した。試合をきっかけに両校の交流を大切にしていきたい。全力でぶつかりたい」と意気込みを語った。
6日は午前、午後の2試合を予定。午前の試合前にはセレモニーを行い、当時に思いを馳せて函館中部高が芋を、山形東高が米を交換する。入場は無料。(小林省悟)