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荒井三津子さん・暮らしのパレット/再生

 ガラスのテーブルを木調に変えた。と言っても新しいテーブルを買ったのではない。20年近く使ってきたガラスの食卓の天板を、座卓の木の板と取り替えたのだ。30年数年前、ある住宅会社がモデルハウスの家具を格安で売りに出した際、気に入って手に入れた座卓だが、大きすぎたため、天板だけはずして長く保管していた。
 先日、家具デザイナーが遊びに来たので、その天板を見せたところ、ガラスの天板と取り替えてみたらどうかという話になった。今はもう作れない貴重な板だという。結果は写真の通りである。4人掛けが6人掛けになった。さらに彼は、何度も処分しようか迷いながら残してきた50年以上前の食器棚を見て、昔の仕事は素晴らしいと目を細めた。棚に全く狂いがない上、ガラスのカットも扉の作りも、昭和の良い時代のものだから捨ててはいけないと言った。
 犬がかじってしまった、父が大切にしていた両肘付きの椅子2脚も直してくれるという。その彼が最も注目したのは、古い小ぶりの茶たんすだった。97歳の母の部屋からリビングに移動し、今は洋食器を入れて使っている。低くて使いにくそうだから、鉄の脚をつけ、上に棚も増やしてみてはどうかと提案してくれた。座卓がダイニングテーブルになり、古い茶たんすも父の椅子も蘇る。
 椅子は2脚あるので、いつか娘たちに渡してやろう。捨てるのは簡単だが、良い職人の手で作られた家具は大切にしたい。そのことに気付かされた幸せな午後だった。(生活デザイナー)

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